たまごっちはオワコンブログ

1996年頃、一世を風靡した懐かしコンテンツ「たまごっち」。今も細々続いているものの、今は風前の灯火。そんなたまごっちがオワコンとなってしまった理由や、問題点を不定期で書きます。

ポケモンGO、来ましたね

どうも、こんにちは。ご無沙汰しておりました。

 

ところで、皆さんは「ポケモンGO」をご存知ですか。世界中で社会現象を巻き起こし、連日ニュースにも取り上げられ、ついにNHKや政府機関の人物までもが話題にあげましたよね。まさに、社会現象です。

さて、こんな社会現象といえば、もっと小規模なものならひと昔にもありました。そう、1996年ごろのたまごっちブームですね。こちらも、それなりの社会現象を引き起こしました。そして、一発屋のごとく、1~2年で消えました。

さらに、ポケモンとたまごっちには共通点があります。初代たまごっちも初代ポケモンも、1996年に発売されたのです。そして、両方とも今年で20周年を迎えるのです。この温度差を見れば、歴然。どうしても、たまごっちはやはりオワコンなのではないかな…と考えてしまいます。

 

ふつう、爆発的に流行ったものは、わりとすぐ廃れてしまいます。お笑い芸人たちのあいだでも「流行語大賞に選ばれたら来年は消える」というジンクスがあるぐらいですから。

でも、自分はたまごっちに対してはいつもこんなに悲観的ですが、ポケモンそのものがオワコンになる可能性は無いと思っています。なぜでしょうか。

たしかに、ポケモンGOは、もしかしたら早くに飽きられるかもしれませんが、それは、ポケモンそのものが飽きられるわけではない。しかもこのブームは、すでにポケモンが皆に知れ渡っているからこそのもの。すでにしっかり浸透しているから、今更いきなり皆がポケモンのことを忘れるなんてことは無いでしょう。そんなことがあったら、もう怪奇現象です。

いっぽう、たまごっちは違います。爆発的に流行ったのは「たまごっち」というジャンルそのもの。つまり、たまごっちの流行の終了は、そのままたまごっちが消えることを意味しているのです。

 

一方、たまごっちは20周年を記念し、「たまごっちみくす」を発売しますが、やはりこの状況を見ると雲行きは怪しい。

ポケモンGOは無料でダウンロードできますが、たまごっちはお金を払わないと買えません。スマホという、遊び道具にも使える多機能コンピューターがなかった90年代とは違います。暇をつぶすために、わざわざお金を払わなくてもいい時代なのです。

スマホゲームなら、たとえクソゲーだったとしても、無料でダウンロードしたものなのだから、アンインストールしても(お財布にとっては)痛くもかゆくもありません。だから、いろいろなゲームをお試し感覚でどんどんダウンロードできる。でも、お金を払って買ったゲームがクソゲーだった場合、お金は返ってきませんし、返品もできません。

そのうえ、ポケモンは放置しても死にませんが、たまごっちはまめに面倒を見ないと、死にます。四六時中飼い主を呼び出します。毎日が忙しい人には、やさしくありません。

 

もう、お金を払って遊ぶ育成ゲームは、このままでは時代遅れなのです。どうか、ポケモンGOのように、ファンを驚かせる、予想だにしないかたちのたまごっちが登場してほしいものです…。

オワコン基礎(2):クラスタ事情

さて、オワコン基礎・第二回は、ファンの集まり「クラスタ」について語ろうと思います。

今回は、けっこう危ないテーマに踏み込みます。不快に思われる方もいらっしゃいますかと思いますので、「続きを読む」をここらへんに入れておきます。読むかどうかは、自己責任でお願いします。

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オワコン基礎(1):アニメ編

さて、またまた不定期連載企画を始めます。その名も「オワコン基礎」!

いつまで続くかわかりませんが、しばらくよろしくお願いします。

 

ふだんオワコンbotが、口(?)が酸っぱくなるほど言っている自動ツイートの中で、多いネタの一つが、アニメにかかわるものです。今回は、それをピックアップする形で文章を書いていきます。

 

まず、地上波のテレビアニメの前身として、アニメ映画やショートアニメが2007年から始まり、その後、TV東京系列でアニメ「たまごっち!」が始まったのは2009年10月。この後、何度か放送時間は変わったものの、(後述の傑作選を除けば)2015年3月まで続く、わりと長寿の作品となります。さて、このアニメの、何が問題なのでしょうか。

 

一般的に、アニメというものは、おもちゃやゲームと違い、お金を払わなくても観られるので、小さな子供でも簡単に観られます。つまり……ファンの年齢層が下がる。

たまごっちの場合は、それが非常に問題だった。

アニメが始まる前のたまごっちを思い出してみましょう。メインのファン層は最初は女子高生、次にしばらく沈黙期間をおいたのち、小学生に移されました。

ですから、アニメ開始と同時に登場したたまごっち「Tamagotchi iD」も、対象年齢は、ターゲットの下限である、小学1年生の年齢である6歳に設定されていました。

しかし、小学生の女子というのは大抵、小さくて頭身が低いマスコットキャラクターより、「ちゃお」などに載っているような、キラキラのアイドルの女の子や、恋する乙女が好き。

では、小さくて頭身が低いマスコットキャラクターばかりが登場する「たまごっち!」は、だれが観るのでしょうか。

答えは、幼稚園児。たまごっちのおもちゃの対象年齢は6歳以上なので、おもちゃの内容と見合わないのです。

そんなことはいざ知らず、幼稚園児たちは、母親にたまごっちをおねだりする。しかし、買ってあげても、幼稚園児たちは文字が読めないから、本来の楽しみ方ができない。そもそも、買ってやっていいものかと困る母親もいる。そんな母親たちの悩みは、「たまごっち 対象年齢」と検索すれば、たくさん出てきます。

「…え?そんなに高い識字能力が、たまごっちを遊ぶのに必要なのか?表示されるのはせいぜい「ごはん」「おやつ」とか、単語ばかりではなかったか…?」

と思ったそこのあなた。アニメが始まってしまったことで、ひとつ問題が発生したのです。

それは、たまごっちたちの性格が、アニメによってしっかりと設定されてしまったこと。アニメの中では、たまごっちたちはもはや、人間の手の中で育てられるペットではありません。自分たちで物事を考え、自分たちの惑星のうえに社会を築き、しっかり言語をしゃべります。

そして、アニメを観て、たまごっちを買った子供たちに、違和感を感じさせないよう、おもちゃの中のたまごっちも、しっかりと文章でしゃべるようになったのです。「おなかがすいた」とか「あそびにいこう」とか。

 

さて、ふつう、人間というものは、自分の年齢に見合わない行動をするのは、恥ずかしいものです。

そこのあなた、「ベビーカーに乗り、バブーと言いなさい」と言われたら、すんなり出来ますか?「幼稚園児のスモックを着なさい」と言われたら?

こうして、メイン年齢層が下がったたまごっちも、上記に挙げられた「幼いもの」のひとつになってしまいました。だから、小学生ですら、たまごっちを持ったり、アニメを観たりするのは恥ずかしいことになってしまったし、もちろん大人なんか論外。たまごっちは、取っつきにくいジャンルとなりました。だから、どんなにアニメのキャプチャをtwitterにあげて、「たまごっちはいいぞ」と言っても、ファンは増えません。「ガルパンはいいぞ」とつぶやくだけでファンが増えるガルパンとは、根本的に違うんです。

 

それから、幼児向け作品に必要な要素は「なりきりグッズ」。たとえば、アニメに登場するキャラクターの所持品を模したおもちゃや、ヒーローや魔法少女に変身するためのアイテムの形をしたおもちゃ。

たまごっち!」でも、たくさんつくられました。バイオリンがとくいなたまごっちが登場すれば、その子のバイオリンはグッズ化されます。お化粧がとくいなたまごっちなら、パレット。

果ては、魔法の力で変身する二人組のたまごっちまで登場しました。彼女らが使っている変身バッグも、グッズになりました。

ここまできたら、もはや、「たまごっち」って何なんだ!?って思いませんか。育成ゲームじゃなかったんですか。グッズが迷走しすぎです。

 

つまりは、アニメ「たまごっち!」が原因で、たまごっちの方向性が大きく転換してしまったということです。すでに「たまごっち=幼児向け」のレッテルも貼られてしまいました。これから、ファンを拡大するには、大変な努力が必要なことは、確かです。

そんな逆境のなか、アニメが終わったうえで発売される、「たまごっちみくす」は、このレッテルを打破できるのでしょうか…

ちょっと待って、たまごっちみくす(2)

たまごっちファンが待ちに待った、約1年ぶりの最新作「Tamagotchi m!x」の発売日まであと一週間をきりました。そうそう、これこれ。

tamagotch.channel.or.jp

で、前回の記事はこちら。たまごっちみくすの売り方に対する不安点を書きました。

tmgcowacon.hatenablog.jp

今回は、たまごっちみくすのシステムの不安点を書いてみようと思います。

前回も言ったように、今作のテーマは「遺伝」。先祖の特徴を少しずつ引き継いだ、きまった名前の無いたまごっちを育てることができます。

そのパーツの組み合わせはなんと数千万通り、と述べられています。全く同じ夫婦から生まれた子でも、別の姿になったりすらするそうで、おそらく同じ姿のたまごっちが世界のどこかで同時に育つことはめずらしいそう。

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ちょっと待って、たまごっちみくす(1)

たまごっちファンが待ちに待った、約1年ぶりの最新作「Tamagotchi m!x」の発売日まであと一週間をきりました。先日、続々とテレビニュースやネットニュースでたまごっちの話題が取り上げられたことで、興味を持った方も多いでしょう。

tamagotch.channel.or.jp

今作の売りは、世代を経るごとに、先祖の特徴を引き継いでいく「遺伝」。

これまでのたまごっちとは違い、一代目などの一部のたまごっちを除いて、プログラムによって決められた名前や性格をもたない雑種(ミックス)のたまごっちを育てることができるのです。

 

さらに、今回のたまごっちは、お世話を怠ると死にます。世代が途切れるイメージとのことです。こんな記事が登場しましたね。

www.j-cast.com

これらのことから、2009年から5年間放送されていたアニメ「たまごっち!」や、7年前の作品「iD」から昨年の作品「4U+」までを知っている方ならわかることなのですが、その期間の作品はアニメの影響で、キャラクターの性格はアニメで定められているために、作中のたまごっちがアニメの設定のとおりにするために、しゃべるようになった。また、アニメには無い下品な描写や残酷な描写を回避するために、苦肉の策として、死の概念の削除などが行われてしまったのです。

kai-you.net

今作では、こうしてアニメなどの影響で「幼稚園児向け」と化してしまったたまごっちが、大人にも持ちやすい作品になるよう努力がなされたのですね。

 

また、東京おもちゃショーでは、「口コミで広がることを想定」した販売戦略をとるとパネルに記されていました。つまり…

A「見て私のたまごっち!かわいいでしょ。あなたも」

B「きゃーかわいい!私のはこんなの」

C「いいなあ、かわいいな。私も、自分だけのかわいいたまごっちを育てて、見せ合いっこしたいな」

というふう。どうです、買いたくなったでしょう。初代のたまごっちも、育てたたまごっちの見せ合いっこをしたいJKのあいだで広まりましたから、原点回帰というワードにふさわしい売り方ですね。しかも、今回は、十人十色のさまざまなたまごっちが育ちますから、初代のようにマンネリ化が原因で飽きられることもありませんからね。

 

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デザインコンテストが始まります

さて、きたる来週の土曜日…2016年7月16日に、たまごっちの最新作「Tamagotchi m!x」が発売されます。

原点回帰を掲げ、7年ぶりに、完全に「死ぬ」たまごっちとなったことで、これまたニュースになったので、それで存在を知った人もいるはずですね。

www.j-cast.com

で、20周年ということで、たまごっち公式もちょっとばかりはりきっているようです。ファンのみなさんから、新しいたまごっちのキャラクターのアイデアを募集するというのです。じぶんでかんがえたたまごっちを、全国のファンが育ててくれるんですから、お絵かきが大好きなたまごっちファンにとっては、またとないラッキー・チャンス!

 

ちなみに、以下のように、似たようなコンテストが、これまでにも何度か開催されていますよ。

まずこちらが、ちょうど5年前に、たまごっちが15周年を迎えたときに開催されたコンテスト。

ネットで発見!!たまごっち 公式ホームページ|たまごっち15周年記念★ みんなでつくるTamagotchi iD L|

こちらは、Tamagotchi 4Uの販促キャンペーンとして開催されたもの。

ネットで発見!!たまごっち 公式ホームページ

 

…しかし、インターネットのたまごっちファンたちは苦言を呈する状況。こんな楽しいお祭りのはずなのに、どうしてこんなに不評なのでしょうか。

 

自分の作品が選ばれたら、うれしいことですよね。自慢したくもなるでしょう。

でも、みんなが温かくほめたたえてくれるわけではありません。当然、嫉妬から、入賞した人に、数多くの心無い言葉をかけてくることもありますし、口に出さなくても、そうして天狗になっている人を見るのは、気持ちいいものではないと思う人もいるでしょう。

もちろん、自慢なんかしなくてもいいのですが、過去に、「入賞した」と明かした人がおり、彼らがそういった目に遭うことで、この狭いクラスタの空気は、たちまち悪くなってしまった…ということが、この企画に対しての不安を生んでいるのです。

きっと今回も、入賞した大きなお友達がそうして自慢することが起こらないともいえません。楽しく活動したいのに、そうしたことがあるせいで、空気が悪くなってしまうのが、みんないやなのです。

 

ところで、たまごっち以外にも、人々の絵やアイデアを審査する「コンテスト」はたくさんあります。そういったコンテストでは、かならず応募要項に、こう記されています。そう、「未公開作品に限る」と。

この条項が無ければ、過去にイラスト投稿サイトなどや、他のコンテストに投稿した作品の中で、評価が高かったり、入賞したりした作品を別のコンテストに投稿することで、あらゆるコンテストの賞を総なめできてしまいます。

ところが、たまごっちにおいて再三開催されているこのデザインコンテストの要項には、この条項が無い。つまり、ふだんからpixivなどで人気の「オリジナルたまごっち」を投稿することもできてしまう。

実際に、入賞とまではいかなくとも、「選考途中の作品を公開」と称した場でそういった、すでに人気のオリジナルキャラクターが公開されてしまったことがあります。

それ以降も、実際にそういったキャラクターが採用はされていないものの、この条項は追加されず、今もそういった作品を寄稿することはできてしまう状態にあります。

たまごっちの公式のスタッフたちは、こういった大きなお友達の存在を無視しています。だから、いまだに彼らは「たまごっちのファン=インターネットが使えないこども」ということにしてしまっているから、この条項がいまだに追加されないのです。

 

さらに、今回のコンテストにはさらなる問題があります。それは、応募にあたって、「ペンネーム」ではなく、「本名」だけを要求されているということ。つまり、もしこれで、すでにpixivで人気のオリジナルたまごっちが入賞してしまったら、雑誌には彼らの本名が載ってしまうのです。これまでのネット上でのいざこざどころではない事態が起こってもおかしくありません。彼らの本名がありふれたものではなかった場合、住所特定などの問題につながってしまう危険もあるのです。

 

今回のデザインコンテストも問題だらけ。とても心配です。

今年のコンテストは、平和に終わってくれることを祈るばかりです…